膝が痛いお子さん、大丈夫??
【原因】
オスグッドが発症する脛骨粗面には体重支持や着地衝撃を吸収する役割をしている大腿四頭筋の力を伝える膝蓋靭帯が付着している部位でもあります。
サッカーやバスケットボールなどで膝を伸ばす動きを繰り返し行っていると、大腿四頭筋に膝蓋靱帯を介して付着している脛骨の結着部が強く引っ張られる状態が続き、その際に、骨端軟骨の一部に剥離が起こることで発症します。
そのために生じる大腿四頭筋(太もも前の筋肉)の柔軟性低下をきっかけに、ジャンプやダッシュなどの繰り返しの動作による膝蓋骨(お皿の骨)を引っ張る力が脛骨粗面に加わります。成長期の脛骨粗面には骨が成長するために必要な新しい骨(骨端核)が存在していますが、大腿四頭筋による強い牽引力が負担となり、骨端核の発育が阻害され突出して痛みます。
【症状】
ジャンプ動作での膝屈伸時や、ダッシュやキック動作(サッカー)で起こりやすく、膝の御皿の下にある脛骨粗面に鋭い痛みがあるのが特徴です。
局所の熱感や腫れ、骨性の隆起が見られます。
子どもの骨は、やわらかい骨から硬い骨へと成長する過程にあり、どうしても不安定な状態です。また、骨の成長スピードに対して筋肉や腱の成長が追いつかず、アンバランスな筋骨格構造になっています。
そこに過剰な運動による負荷が加わることで、膝の痛みが起こると考えられています。ほとんどの場合、成長が終わると痛みが治まりますが、無理をすると成長期が終わってからも痛みが残ることがあるので、休息と発症後は適切なケアが必要です。
成長段階に合わせたトレーニングやセルフケアなどがとても大事になってきます。
次回は、 『予防とセルフチェック』についてご紹介します。