#2 オスグットの予防とセルフチェック

前回、オスグッドの原因と症状について書かせていただきました。

今回は、予防とセルフチェックについてお伝えしていきます。

少し復習を...

オスグッドは、脛骨粗面という骨が隆起した部分の痛みが特徴で、大腿四頭筋(太もも前の筋肉)の柔軟性低下をきっかけに、ジャンプやダッシュなどの繰り返しの動作による膝蓋骨(お皿の骨)を引っ張る力が脛骨粗面に加わり、炎症を起こしたり、骨が剥がれたりするものでしたね。

痛みが強く、スポーツを休まないといけない子どもも多いです。

骨が剥がれたまま成長し、身長の伸びが止まった後でも痛みが続く場合は、浮き上がった骨片を手術で取り除く場合もあります。

発育期において著しく身長が伸びている時期には、骨の成長に比べ、筋肉や腱の成長・発育が遅くて追いつかないために、相対的に筋肉・腱が緊張した状態になることがあります。

身長が著しく伸びている子どもや、スポーツをしている子どもには、予防手段として簡単なストレッチテストなどで大腿四頭筋(太もも前の筋肉)のやハムストリングス(太もも後ろの筋肉)の柔軟性をチェックしましょう。

◆大腿四頭筋のストレッチテスト

・踵とお尻との距離をはかり、手指4本以上離れる場合は陽性。

◆ハムストリングのストレッチテスト

・股関節90度で膝裏を抱えて膝が伸びたらOK。

  膝が伸びなければ柔軟性の低下と考えられます。

ストレッチテストが大丈夫でも、脛骨粗面やお皿の下にある靭帯を押すと痛い方も要注意なので気を付けてください。

 ※ハムストリングス(太もも後ろの筋肉)は膝を曲げる働きがあります。柔軟性が低下すると、大腿四頭筋(太もも前の筋肉)や膝蓋靭帯(お皿の下の靭帯)に牽引力加わり、脛骨粗面への負担がかかりますので、太ももの前と後ろの両方をチェックしましょう。

 チェックがついた子どもや、現在痛みがない子どもでも、柔軟性低下は色々なケガや痛みにつながります。日頃からウォーミングアップやクールダウン、ストレッチなどを続けるようにしましょう。

当施設では、「セルフコンディショニング」というグループレッスンを設け、子どもたちが自らからだの調子を把握し、セルフケアや自己評価を身に付け、普段の練習から良いコンディションでできるようにからだを整えるためのレッスンを行っています。

日々継続していく中で、子どもたちは自分のからだに興味を持ち、からだの異変に早く気付けるようになっています。

 継続がとても大切ですが、子どもにとっては難しいことなので、その環境を作ることが大事だなと思います。

次回は、実際にセルフコンディショニングで行っているストレッチやセルフケアについてご紹介します。

【参考資料】

 測定と評価(改定・増補版)

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