#6成長期の骨は弱い?

 成長期には、大人で発症しないその年の特有のケガがあります。その中には一度の大きな外力によるケガ(外傷)もありますが、成長線を含む骨の強度が弱いために起こる、繰り返しの力・オーバーワーク(使いすぎ)によるケガ(障害)の方が生じやすいと言えます。 

 年代別でのスポーツ障害の発症件数は10代が最も多く、ピークは17歳前後の高校生、続いて中学生、小学校高学年、大学生の順になります。スポーツ障害は、小学校高学年から高校生にかけての成長期に集中して起こっています。

 

①成長期の骨 

 成長期の骨は、骨の中心部にあたる骨幹部(その端の部分は骨幹端部と呼ばれる)と、骨の端の部分(骨端部)にわかれており、その間に骨端線(成長軟骨)が存在しています。成長期の骨端部には、骨端軟骨(成長軟骨)が存在し骨の長さの成長を司っています。成長とともに骨端軟骨の中心に骨(骨端核)ができ、次第に骨端全体が骨となり、骨端線が消失して、骨幹端部とつながって大人の骨となります。長期に骨と骨の間に軟骨が存在し、大人になると1本の骨となります。この部分を成長軟骨「骨端線」と言います。成長軟骨は、太ももや腕などの長い骨の両端にあり、成長軟骨の部分に新しく骨が作られ、骨が伸びていきます。

 

 成長を重ねている間は、力学的負荷に弱く、外傷や障害が起こりやすくなります。

膝関節部の骨の成長

 

②柔軟性の低下

 個人差はありますが、、女子では10歳ごろから、男子では11歳ごろから成長が早くなります。身長(骨)が急激に伸びると、筋肉の発達が追いつかず筋肉が相対的に短縮し、結果として、筋の柔軟性が低下して、からだが硬くなります。

 この骨と筋の成長のアンバランスが、痛みの原因となりやすくなります。

 骨端部、骨端線の外傷や障害は、成長期特有のもであり、放置しておくと、成長に影響が生じたり、大人になっても症状が継続したりして競技力に影響を及ぼしてしまうこともあるため注意が必要な損傷です。

 成長期のケガは、放っておくと治ったり、翌日には痛みがないことがあり、成長期を過ぎれば治るだろうと誤解されることも多いですが、早期発見や的確な診断・治療が出来るかどうかでその後の経過が大きく変わってくるケガもあります。

 

 運動中の痛みや、同じ部位に痛みが出たり、出なかったりを繰り返してたら要注意です。あれ?と思ったら、まずはお近くの接骨院や医療機関に一度相談しましょう。

 当院では、スポーツによるケガや痛みの治療だけではなく、競技復帰、再発予防・防止のための身体づくりを行っています。

 ケガの痛みがなかなか治らない、ケガしにくい身体を作りたい方は、当院にお任せください。

症状に応じて一人ひとりに合った治療とトレーニングを提案します。

スポーツおきなわ接骨院

※火~金の午前中は、予約制となっております。

事前にご予約をお願いします。090-8292-2669

#5 膝がパキッと音がして痛い?!

膝の屈伸でパキッっと音がするの、もしかして『タナ(棚)障害』かも?!

なにかの動作でしゃがんだ際、膝がパキッとなることありませんか?

もしかしたら、膝蓋骨(膝のお皿)の内側にある滑膜ひだが影響しているかもしれません。

『タナ(棚)障害』とは、膝蓋骨(お皿の骨)と大腿骨内側の間にある滑膜ひだが、膝屈伸時に挟まったり、こすれて炎症を起こし痛みが生じます。

膝関節は関節包という袋に包まれていて、その中に関節腔(かんせつこう)という空間があり、その空間は滑膜ヒダという膜のような壁で仕切られています。膝蓋骨(膝の皿)と大腿骨(太ももの骨)の間のヒダは、物をのせる棚のように見えるため、タナと呼ばれています

滑膜ひだは胎内にいる胎生期に作られていて、生まれる前に消失していくのですが、一部の滑膜ひだが約50%の確率で残存します。

・膝蓋上滑膜ひだ

・膝蓋下滑膜ひだ

・膝蓋内側滑膜ひだ

・膝蓋外側滑膜ひだ

の4つの滑膜ひだが存在しますが、残存しやすく膝の痛みの原因になりやすいのが膝蓋内側滑膜ひだです。

【原因】

 マラソンや自転車など膝の屈伸動作を繰り返すスポーツによる使いすぎや、先天的に膝蓋腱が長い、膝蓋骨の形や位置が悪かったり、膝蓋骨の動きが悪くなどで痛みが出ます。

 滑膜ひだが膝蓋骨(お皿の骨)と大腿骨の間で繰り返し挟まれると炎症を起こし、徐々に肥厚してきて、引っ掛かりが強くなると症状が悪化することがあります。

【症状】

 運動時に膝蓋骨の内側(お皿の内側あたり)に痛みが出現します。膝の屈伸時に、ポキッと音がなることがあります。これは滑膜ひだがが引っ掛かることで音が鳴ります。強い炎症を起こせば関節水腫(関節に水が溜まる)の原因になることもあります。

 ・膝蓋骨(お皿の骨)の横の痛み

 ・屈伸時の痛みや「コキッ」「ポキッ」などの音がする

 ・膝の圧迫感や違和感を感じる

 など

軽い違和感~強い痛みまで症状が様々です。

【検査】

徒手検査やMRI検査にて画像診断を行います。超音波エコーでも滑膜ひだの有無や肥厚などを確認することができます。

徒手検査では、Plica Test(プリカテスト)があります。

◆Plica test

仰臥位。

患者の位置:膝が十分に伸ばされた状態から始めます。

検査者は患部側に立ち、片方の手をかかとの周りに置き、もう一方の手のひらを内側大腿骨顆の上に指で膝蓋骨の側の境界の上に置いて、脛骨を内部で回転させ、膝蓋骨を押しながら患者の膝を曲げて伸ばし、膝の痛みの有無を確認します。

膝関節30 ~ 60 度の範囲で行います。

【治療】

 基本的には、運動制限や股関節・膝周辺のストレッチなどのセルフケアを行います。

セルフケアでは、膝周辺の筋力強化や柔軟性を高めるためにストレッチを行ったり、膝蓋骨の動きをつけたりします。

炎症や痛みがひどい場合は、棚の部分にステロイドの注射療法を行うこともあります。痛みがとれなく、運動や日常生活に支障が出る場合は、関節鏡視下で切除することもあります。

【鑑別疾患】

 膝の横の痛みでも、様々な原因と疾患があります。

・内側の変形膝関節症

・内側側副靭帯

・軟骨損傷

・滑膜炎

・鵞足炎

・膝蓋骨軟化症

etc…

自己判断はせず、お近くの医療機関(病院または接骨院など)にご相談してみてくさい。

参考文献

Synovial Plica Syndrome of the Knee: A Commonly Overlooked Cause of Anterior Knee Pain

       

♯4『スポーツ外傷』と『スポーツ障害』何が違う?

スポーツに起こるけがは、『スポーツ外傷』『スポーツ障害』の2つに分けることができます。

『スポーツ外傷』

「足を捻った」や「相手とぶつかった」、「ボールが当たった」など1回の衝撃で起こるけがのこと言います。

『スポーツ障害』

 「走るとだんだん痛くなる」や「練習終わると腰が痛くなる」、「日に日に痛みが強くなってきた」など、明らかな原因はないのに、ある一定の場所の痛みが続いて起こるけがのことを言います。

スポーツ外傷スポーツ障害
発生
メカニズム
1回の衝撃で生じる怪我繰り返し加わるストレスで
生じる怪我
主な疾患骨折、捻挫、脱臼、打撲、
肉離れ、脳振盪など
野球肘、テニス肘、ジャンパー膝、
ランナー膝、シンスプリントなど
発生の場面や
要因
コンタクト(接触)、
ジャンプの着地、
ダッシュや切り返しの時など
オーバーユース(使いすぎ)、
過多な練習量、ケア不足、
不良なフォーム、アライメント不良など

 スポーツ外傷の多くは、受傷の部位やその程度により手術やギプス固定が必要となり、適切な処置と治療、リハビリで時間の経過とともに痛みも取れますが、『スポーツ障害』は、オーバーユース(使いすぎ)やアライメントの不良、からだの使い方、体力面など色々な原因が考られ、その多くは自分で気付かないうちに徐々に痛みが出てきます。本人も周囲も原因が分からないまま、練習を休んだり参加したりを繰り返したりするので、治療も長期化することがあります。

 トレーニング方法や姿勢、アライメントの不良だけではなく、練習時間や施設環境なども原因となります。日頃から、からだの状態(コンディション)を把握すことが重要です。成長期のけがは、大人になってからも慢性的な痛みとして残ることもあるので、痛みがあるときは無理せずに、医療機関または当院にご相談ください。

けがに対して早期に適切な処置を行わなかったために、『スポーツ障害』へ繋がってしまうことがあります。

スポーツ中のけがや、痛みが続いているなどお困りの方は一度ご相談ください。

安心して競技に取り組めるようにサポートいたします。

スポーツおきなわ接骨院

那覇市天久1131-9

☎090ー8292ー2669

#3 オスグッド-どこでもできるセルフケア!

オスグッド

どこでも出来るセルフケア

前回のブログで紹介させていただいたセルフチェックはいかがでしたか?

クリア出来ましたか?

太ももの前や後ろの柔軟性があっても、脛骨粗面やお皿の下にある靭帯を押すと痛い方も要注意です。ひどくなる前に、お近くの病院や接骨院などの専門の先生に相談しましょう。

今回は、どこでも出来るセルフケアの方法をご紹介します。

◆大腿四頭筋(太ももの前)のストレッチ

 1、片足を一歩踏み出し、膝関節90度にします。

 2、前の足に体重をかけて、後ろ足の太もも前を伸ばします。

   ※この時に、腰が反りすぎないように注意しましょう。

 〔10秒~15秒伸ばす➡力を抜く〕を3~5回繰り返しましょう。

↑のストレッチに余裕がある人は、膝を曲げて行ってみてください。

 膝を曲げると、太もも前がさらに伸びます。

 踵とお尻がくっつくのが理想ですが、無理をせず伸ばしていきましょう。

◆ハムストリングス(太もも裏)のストレッチ

 1、仰向けになり、足の裏にひっかけます。

 2、膝を伸ばしたままタオルを引っ張って足を上げ、ももの裏を伸ばします。

   ※この時、背中が丸くならないように注意しましょう。

 〔10秒~15秒伸ばす➡力を抜く〕を3~5回繰り返しましょう。

◆内転筋(内もも)のストレッチ

 1、片方の膝を床に付け、もう片方の足は真横に伸ばします。

 2、手は肩の真下につきます。

 3、背中が丸まらないように意識しながら、お尻を後ろに引いて内ももを伸ばします。

 〔10秒~15秒伸ばす➡力を抜く〕を3~5回繰り返しましょう。

今回は、柔軟性を出して痛みを改善・予防する方法をお伝えしました。

柔軟性の低下や痛みは、ストレッチ不足の他にも練習量が多く回復が出来てなかったり、間違ったからだの使い方を繰り返してる場合があります。

痛みの原因はそれぞれ異なる場合があるので、痛みや症状がある方はお近くの病院や接骨院へご相談してみましょう。

#2 オスグットの予防とセルフチェック

前回、オスグッドの原因と症状について書かせていただきました。

今回は、予防とセルフチェックについてお伝えしていきます。

少し復習を...

オスグッドは、脛骨粗面という骨が隆起した部分の痛みが特徴で、大腿四頭筋(太もも前の筋肉)の柔軟性低下をきっかけに、ジャンプやダッシュなどの繰り返しの動作による膝蓋骨(お皿の骨)を引っ張る力が脛骨粗面に加わり、炎症を起こしたり、骨が剥がれたりするものでしたね。

痛みが強く、スポーツを休まないといけない子どもも多いです。

骨が剥がれたまま成長し、身長の伸びが止まった後でも痛みが続く場合は、浮き上がった骨片を手術で取り除く場合もあります。

発育期において著しく身長が伸びている時期には、骨の成長に比べ、筋肉や腱の成長・発育が遅くて追いつかないために、相対的に筋肉・腱が緊張した状態になることがあります。

身長が著しく伸びている子どもや、スポーツをしている子どもには、予防手段として簡単なストレッチテストなどで大腿四頭筋(太もも前の筋肉)のやハムストリングス(太もも後ろの筋肉)の柔軟性をチェックしましょう。

◆大腿四頭筋のストレッチテスト

・踵とお尻との距離をはかり、手指4本以上離れる場合は陽性。

◆ハムストリングのストレッチテスト

・股関節90度で膝裏を抱えて膝が伸びたらOK。

  膝が伸びなければ柔軟性の低下と考えられます。

ストレッチテストが大丈夫でも、脛骨粗面やお皿の下にある靭帯を押すと痛い方も要注意なので気を付けてください。

 ※ハムストリングス(太もも後ろの筋肉)は膝を曲げる働きがあります。柔軟性が低下すると、大腿四頭筋(太もも前の筋肉)や膝蓋靭帯(お皿の下の靭帯)に牽引力加わり、脛骨粗面への負担がかかりますので、太ももの前と後ろの両方をチェックしましょう。

 チェックがついた子どもや、現在痛みがない子どもでも、柔軟性低下は色々なケガや痛みにつながります。日頃からウォーミングアップやクールダウン、ストレッチなどを続けるようにしましょう。

当施設では、「セルフコンディショニング」というグループレッスンを設け、子どもたちが自らからだの調子を把握し、セルフケアや自己評価を身に付け、普段の練習から良いコンディションでできるようにからだを整えるためのレッスンを行っています。

日々継続していく中で、子どもたちは自分のからだに興味を持ち、からだの異変に早く気付けるようになっています。

 継続がとても大切ですが、子どもにとっては難しいことなので、その環境を作ることが大事だなと思います。

次回は、実際にセルフコンディショニングで行っているストレッチやセルフケアについてご紹介します。

【参考資料】

 測定と評価(改定・増補版)

#1 ジュニア期に注意しておくべきオスグッドって何?!

膝が痛いお子さん、大丈夫??

お子さんが、「膝が痛い!」と訴えたことはありませんか?また、お子さんが膝の痛みでスポーツを長期にわたってお休みすることありませんか?
 
今回は、子どもに多いケガの一つである『オスグッド』についてご紹介します。
 
オスグッドとは?
オスグッド・シュラッター氏病というもので、小中学生の男子に多い膝のオーバーユース(使い過ぎ)による成長期スポーツ傷害の代表的な疾患です。
特に、サッカーやバスケットボール、バレーボールなど、膝への負担が大きいスポーツでよく見られます。
 
膝のお皿の下あたりには脛骨と呼ばれる太い骨が存在し、前面の脛骨粗面という骨が隆起した部分の痛みが特徴。大腿四頭筋の強い牽引力で、脛骨粗面が炎症を起こし、骨が剥がれたり、骨が異常に盛り上がってきたりするもので、押すと痛みがあり、ランニングやジャンプなどの動作もできなくなってしまうことも多い。

【原因】

オスグッドが発症する脛骨粗面には体重支持や着地衝撃を吸収する役割をしている大腿四頭筋の力を伝える膝蓋靭帯が付着している部位でもあります。

サッカーやバスケットボールなどで膝を伸ばす動きを繰り返し行っていると、大腿四頭筋に膝蓋靱帯を介して付着している脛骨の結着部が強く引っ張られる状態が続き、その際に、骨端軟骨の一部に剥離が起こることで発症します。

そのために生じる大腿四頭筋(太もも前の筋肉)の柔軟性低下をきっかけに、ジャンプやダッシュなどの繰り返しの動作による膝蓋骨(お皿の骨)を引っ張る力が脛骨粗面に加わります。成長期の脛骨粗面には骨が成長するために必要な新しい骨(骨端核)が存在していますが、大腿四頭筋による強い牽引力が負担となり、骨端核の発育が阻害され突出して痛みます。

【症状】

ジャンプ動作での膝屈伸時や、ダッシュやキック動作(サッカー)で起こりやすく、膝の御皿の下にある脛骨粗面に鋭い痛みがあるのが特徴です。

局所の熱感や腫れ、骨性の隆起が見られます。

子どもの骨は、やわらかい骨から硬い骨へと成長する過程にあり、どうしても不安定な状態です。また、骨の成長スピードに対して筋肉や腱の成長が追いつかず、アンバランスな筋骨格構造になっています。

そこに過剰な運動による負荷が加わることで、膝の痛みが起こると考えられています。ほとんどの場合、成長が終わると痛みが治まりますが、無理をすると成長期が終わってからも痛みが残ることがあるので、休息と発症後は適切なケアが必要です。

成長段階に合わせたトレーニングやセルフケアなどがとても大事になってきます。

次回は、 『予防とセルフチェック』についてご紹介します。